■業界の概要
■市場の動向と展望
■生命保険業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
国内では、日本生命保険、明治安田生命保険、第一生命保険、住友生命保険の4社が「4大生保」と呼ばれる。2007年10月には郵政民営化によりかんぽ生命株式会社が設立され、業界大手の一角を占めている
近年は、個人に合わせたオーダーメード型の保険が主力の外資系生命保険会社や、安さを売りにしたネット専業の生命保険会社が台頭しており、業界構造は変化しつつある。
国内生保事業は少子高齢化による需要減に加え、家計の保険料見直しや若年世代の保険離れ などの影響により、市場の縮小が続いている。
また、顧客のニーズは「死亡リスク」に対する備えから、病気や老化を抱えながら生活していく「生存リスク」 に対する備えにシフトしている。これを受けて各社は、医療保険・がん保険・介護保険などの第三分野保険への注力を強めている。
顧客から集めた保険料を運用し、保険金や配当などの財源とする「資産運用」も、生命保険会社の重要な業務の一つである。
これまで、長引く低金利や新型コロナによる景気停滞などで厳しい運用環境 が続いたことが、生命保険各社の収益を圧迫してきた。
生命保険各社の動向を占ううえで、インフレ傾向を受けた各国の金融政策、金利・為替の動向が、引き続き注目される。
人口減に加えて若年層の保険加入率が低下 しており、国内市場を取り巻く環境は厳しい。
2035年以降は団塊世代の死亡数増加が予想され、契約者の減少と保険金支払いの増加による二重苦が懸念される。そのため、国内企業の再編や海外展開、異業種への新規参入が進むと予想される。
生命保険会社42社(かんぽ生命含む)の2021年度の収入保険料は、前年度比2.1%増の29兆8,247億円だった(生命保険協会「生命保険事業概況)」。
保有契約金額の約6割を占める個人保険は、新規契約高が同5.3%増の46兆4,807億円となった。オンライン営業を含めた営業職員の活動量増加により回復基調ではあったものの、新型コロナ以前の水準回復には至らなかった。
大手生保は、新型コロナによる入院や死亡時に加え、入院できず医療機関以外の療養施設や自宅で治療・療養した期間についても給付金を支給。2020年度に比べて、支払い件数・金額ともに急増した。
生命保険会社42社(かんぽ生命含む)の42社の2022年度の収入保険料は、前年同期比15.7%増の34兆4,978億円となった(生命保険協会「生命保険事業概況)」。