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クレジットカード業界の動向と展望

(2026/07/31更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■クレジットカード業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

国内クレジットカード発行枚数は10年連続で増加

クレジット業界とは、個人や企業が「後払い」で商品やサービスを購入できる仕組みを提供する金融サービス全体を指す。クレジットカードの発行、各加盟店への決済ネットワークの提供、利用者の信用(与信)管理、支払い代行などが主要な業務となる。

カード会員向けの信用供与機能は、ショッピングとキャッシングで構成される。ショッピング取引は主に割賦販売法、キャッシング機能は貸金業法の規律を受け、同じカードでも法的性質が異なる。

カードを発行する主体には、銀行系、信販系、消費者金融系、電子マネー事業者などがあり、Visa・Mastercard・JCBといった国際ブランドが決済インフラを支えている。

日本クレジット協会の「クレジットカード発行枚数調査結果」によると、2025年3月末のクレジットカード発行枚数は3億2,057万枚(前年同月末比2.2%増)となった。EC市場の拡大、スマホ決済やキャッシュレス決済の普及、カード使用可能店舗の拡大などが追い風となり、10年連続で増加している。

加盟店手数料が主な収益源

業界の中心的収益源は、加盟店が決済額に応じて負担する加盟店手数料である。そのほか、利用者から得る年会費、分割払い・リボルビング払いの手数料、キャッシング利息、加盟店向け端末・決済サービス料、提携先からの広告・送客収入、保険等の付帯サービス収入がある。

一方、主要費用はポイント還元、会員獲得費、貸倒費用、資金調達費、国際ブランド関連費、システム運用費、不正利用損失、補償費、サイバーセキュリティ投資である。

収益性は決済取扱高、稼働会員数、メインカード化、加盟店手数料率、リボ・分割残高、金利、延滞率、不正利用率、ポイント還元率に左右される。手数料構造の透明化を目的として、2022年以降は国際ブランドの標準料率、2023年には加盟店手数料の配分率の公開が進められている。

キャッシュレス化が追い風も、課題は多い

業界は、現金からキャッシュレスへの移行が引き続き進むことで、さらなる成長が期待される。

2025年の国内指標によるキャッシュレス決済比率は58.0%であり、政府は2030年までに65%、将来的には80%を目標としている。EC、サブスクリプション、モバイルウォレット、アプリ内決済、インバウンド消費の拡大といった従来の要素に加え、今後はカード利用が相対的に少ない、医療、教育、行政、公共交通、地方の中小店舗、企業間取引などへ浸透がカギとなる。

一方で課題となるのは、フィッシング、カード番号漏えいなどによる不正利用の防止である。不正被害はカード会社の補償・調査費用を増加させるだけでなく、加盟店のチャージバック負担、利用者の信頼低下、審査厳格化による利用者数停滞などを招く。

利便性を優先しすぎれば不正が増え、認証を強化しすぎれば利用率が落ちるため、取引ごとのリスクに応じてバランスを調整する設計力が競争力を左右する。

加盟店負担の軽減も課題である。とくに中小店舗では、手数料、端末費用、入金までの期間、障害時対応が導入障壁となるため、政府も加盟店負担の軽減策を検討している。

さらに、人口減少による国内消費の伸び悩み、コード決済・デビット・銀行口座決済との競争、システム費用、精通人材不足、個人データの目的外利用防止など、解決すべき課題は多い。

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