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リース業界の動向と展望

(2023/10/27更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■リース業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図


■業界の概要

取扱高は最盛期の約5割の低水準

国内リース取扱高は最盛期の約5割の低水準にある。背景には2008年4月からのリース会計基準変更によるファイナンス・リースのオンバランス化、低金利による設備購入資金の調達容易化があり、各社は海外展開やリース以外の事業多角化などで収益を確保している。

オペレーティング・リースのオンバランス化が議論に

リース取引は金融取引に近い「ファイナンス・リース」と賃貸借に近い「オペレーティング・リース」があり、後者はオフバランス処理が認められていた。

しかし2019年1月から新リース会計基準(IFRS16)が適用となり、国際会計基準(IFRS)では、原則すべてのリースがオンバランス処理となった。

国内もIFRS 任意適用企業で新基準適用が始まり、現在は日本会計基準への適用に向け議論が進行している。


■市場の動向と展望

2021年度の市場動向

リース取扱高は2年連続の減少、36年ぶりの低水準

リース事業協会の「リース統計」によると、2021年度のリース取扱高は4兆2,186億円(前年度比8.1%減)と36年ぶりの低水準となった。リース設備投資額も3兆9,617億円(同7.7%減)と、共に2年連続の減少となった。

民間設備投資額に占めるリース設備投資額の割合であるリース比率は4.5%と、39年ぶりに5%を割り込んだ。

取扱高の企業規模別では、中小企業が2兆1,287億円(同8.6%減)、資本金1億円超の大企業も1兆4,963億円(同12.2%減)と、ともに2年連続で減少した。

機種別では9機種すべてが減少となった。なかでも工作機械(同19.3%減)、産業機械(同14.5%減)、事務用機器(同12.1%減)などが2ケタの減少となった。新型コロナによる設備投資の低迷に加え、半導体不足による供給の遅れ、低金利によるリース離れもマイナス要因となった。

2022年度の市場動向

リース取扱高は設備投資の増加などにより3年ぶりに増加に転じる

リース事業協会の「リース統計」によると、2022年度のリース取扱高は4兆3,106億円(前年度比2.2%増)、リース設備投資額は4兆347億円(同1.8%増)と、いずれも3年ぶりの増加となった。

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