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建設業界の動向と展望

(2023/09/04更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■建設業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図


■業界の概要

スーパーゼネコンを頂点に、重層下請け構造を形成

建設業は典型的な受注請負産業であり、元請け・下請け・孫請けへの多段階の受注体制に特徴がある。頂点に立つのは鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設、竹中工務店の5社で、「スーパーゼネコン」と呼ばれている。

建設投資は60兆円台で推移。人手不足が課題

国内の建設投資は1992年度の約84兆円をピークに減少が続き、2010年度には約42兆円まで落ち込んだ。その後は東日本大震災の復興需要などにより下げ止まり、近年は60兆円台後半で推移している(国土交通省「建設投資見通し」)。

建設業許可(登録)業者数は、2000年の60万980事業者から減少傾向にあり、ここ10年は46~7万事業者で横ばいでの推移が続いている(国土交通省「建設業許可業者数調査」)。

建設業の就業者数は479万人(2022年)で、1997年の685万人からは約200万人減少している(総務省「労働力調査」)。就業者の高齢化と若年層の人手不足が、業界全体の課題となっている。


■市場の動向と展望

2021年度の市場動向

建設投資額は2.0%増。民間住宅建設投資がけん引

2021年度の建設投資額(名目値)は、前年度比2.0%増の67兆8,000億円と推計される(国土交通省「令和5年度 建設投資見通し」)。

政府建設投資は24兆300億円で、同4.4%の減少。一方、民間住宅建設投資は政府の住宅取得関連支援策の一部延長などにより、同6.8%増の16兆7,500億円となった。民間非住宅建設投資は、国内外の景気回復を受けた企業の前向きな設備投資により、同4.0%増の18兆1,600億円と推計される。

建設大手50社の2021年度の累計受注高は、前年度比1.5%増の15兆979億円だった(国土交通省の「建設工事受注動態統計調査」)。公共工事は同14.2%減の3兆3,497億円と減少したが、国内受注額の約7割を占める民間工事が同8.2%増の10兆9,267億円と堅調に推移した。

2022年度の市場動向

企業の設備投資意欲回復により、建設投資の増加続く

2022年度の建設投資額(名目値)は、前年度比1.5%増の68兆7,900億円と推計される(国土交通省「令和5年度 建設投資見通し」)。

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