TDB REPORT ONLINE

住宅業界の動向と展望

(2023/09/04更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■住宅(戸建て)の業績動向
■住宅(マンション)業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図


■業界の概要

戸建て住宅業界は人口減で厳しい環境に

戸建て住宅業界は、全国規模で展開する大手ハウスメーカー、建売住宅を低価格で売るパワービルダー、地場工務店などからなる。

国内人口減少などにより1996年度に約163万戸だった新設住宅着工戸数は、2022年度には約86万戸に減少。市場が縮小する中、同業種間での買収やゼネコンとの資本提携など、業界再編が進んでいる。

資材価格上昇や利便性人気で、都心マンションは価格高騰

マンション業界では、住民の都心回帰傾向と低金利を背景に供給増も、地価や建築費の高騰で価格が上昇。コロナ禍で地方移住が見直されたものの、リモートワークからオフィス勤務へ復活の動きもみられることから依然として利便性の高い都心物件の人気は高く、新築マンション価格の上昇が続いている。

長期的には、人口減少から市場縮小が予想され、リノベーションや大規模修繕などのストック型ビジネスに注力する動きも見られる。


■市場の動向と展望

2021年度の市場動向

コロナ禍から回復も、新設住宅着工戸数は2019年度水準に届かず

国土交通省の「建築着工統計調査」によれば、2021年度の新設住宅着工戸数は86万5,909戸、前年度比6.6%増となったが、2019年度の水準には届かなかった。すべての月で前年同月を上回ったものの、大都市圏での増勢には陰りも見えた。

利用関係別では、持家は、2020年11月までは前年同月比でプラスの展開となったが、住宅大手の受注が伸び悩み、12月以降はマイナスに転じた。年度合計では28万1,279戸で同6.9%増となった。

貸家は、相続税制の改正やコロナ禍の影響で2017年より減少が続いていたが、2021年3月から連続して前年同月を上回り、同9.2%増の33万752戸となった。

分譲住宅は、同3.9%増の24万8,384戸となった。マンションの着工戸数が、大都市圏での伸び悩みからコロナ禍で落ち込んだ前年度を下回る同5.0%減となった一方で、戸建住宅は好調に推移し、同11.4%増だった。

2022年度の市場動向

持家の落ち込み大きく、新設住宅着工戸数は微減

国土交通省の「建築着工統計調査」によれば、2022年度の新設住宅着工戸数は、前年度比0.6%減の86万828戸となった。貸家や分譲住宅は、コロナ禍前の2019年度並みの水準に戻ったものの、持家の落ち込みが響いた。

この続きを読むには会員ログインが必要です。
ログイン