■業界の概要
■市場の動向と展望
■繊維製造・紡績業の業績動向
■繊維商社の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
日本の繊維産業は、輸出により外資を稼ぐ産業として発展を遂げたが、1985年のプラザ合意による円高で翌年から輸入超過に転じた。
需要の落ち込みや競争力の低下から、汎用品は生産拠点を中国やASEAN 諸国地域へ海外移転し、減産基調となっている。こうした中、国内生産は航空機などで使用される先端素材(炭素繊維、アラミド繊維など)といった高付加価値製品にシフトしている。
経済産業省「生産動態統計調査」によると、2021年の繊維生産量は前年比6.8%増の80万1,374トン、織物生産量は同2.1%増の8億7,569万平方メートルであった。
新型コロナの影響により大きく落ち込んだ2020年からは増加したものの、産業資材需要や衣料品需要の低調からコロナ前(2019年)水準には至らなかった。そのような中、炭素繊維生産量は同7.1%増の1万9,579トンと、コロナ前の2019年を上回る水準となった。
経済産業省「生産動態統計調査」によると、2022年の繊維生産量は前年比1.5%減の78万9,323トンだった。内訳は化学繊維が同1.9%減の73万6,698トン、紡績糸は同4.0%増の5万2,625トンとなった。