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化粧品・トイレタリー業界の動向と展望

(2023/10/27更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■化粧品・トイレタリー製造業の業績動向
■化粧品・トイレタリー卸売業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図


■業界の概要

化粧品・トイレタリー品市場はコロナ禍で伸び悩み

化粧品・トイレタリー品市場は、インバウンド需要や高付加価値商品の投入が寄与して堅調に推移してきたが、新型コロナ感染防止の入国制限でインバウンド需要が剥落、市場は伸び悩んでいる。

卸はPALTAC とあらたが業界を二分

化粧品・トイレタリー卸業界は、かつて各社地域別に基盤を築いていたが、スケールメリットを追求した業界再編が進んだ。

その結果、国内最大の医薬品卸会社であるメディパルホールディングス子会社の「PALTAC」と、2002年に中堅卸3社(ダイカ・伊藤伊・サンビック)が経営統合して設立し、日用雑貨卸で初の全国展開企業となった「あらた」が、業界を二分している。


■市場の動向と展望

2021年の市場動向

化粧品出荷額は新型コロナ拡大の影響が継続し、2年連続前年割れ

経済産業省「生産動態統計調査」によると、化粧品の2021年国内出荷額は前年比6.2%減の1兆3,909億円と2年連続で減少した。新型コロナ拡大の影響による断続的な緊急事態宣言の発出で、小売店は時短営業したため来店客数が減少、インバウンド需要も消失した。

一方、アジア・欧米では、新型コロナの影響が継続しているものの、ワクチン接種の普及が進み、需要回復が見られた。

トイレタリー品出荷額は前年と同水準

トイレタリー品の2021年国内出荷額は前年比0.9%減の6,501億4,703万円で、前年水準と同程度となった。品目別では、各社の商品投入の影響で「柔軟仕上げ剤」は前年比13.4%増となったが、新型コロナへの感染予防への特需で2020年に大きく出荷額が伸びた「石けん」「漂白剤」は、それぞれ同29.4%減、同3.8%減と反動減に見舞われた。

2022年の市場動向

新型コロナの行動制限緩和などがけん引し、百貨店の化粧品売上高は回復の端緒に

経済産業省「生産動態統計調査」では、2022年の化粧品の国内出荷額は前年比9.0%減の1兆2,654億円となった。

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