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電線・ケーブル業界の動向と展望

(2023/11/29更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■電線・ケーブル製造業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図


■業界の概要

日本優位の技術力を生かし、海外での事業展開を積極的に推進

電線は、電気や情報を伝達する重要な役割を果たしており、社会インフラを支えている。

電力を伝える電力用電線、電気信号を伝送する通信ケーブル、モーターや発電機のコイルに使われる巻線に大別され、代表的な用途は建設、電気・通信、電気機械、自動車である。出荷量・金額ともに最も割合が高いのは建設・電線販売業向けで、銅量ベースで49.4%、金額ベースで36.7%を占める(2022年度)。

近年、国内需要は大きな伸びが期待できず、電線各社は高い技術力を生かして海外での事業展開を積極的に進めている。日本電線工業会の「海外現地法人出荷統計データ調査結果」によると、海外現地法人による銅電線の出荷量は69万7,032トンで、その9割が日本以外向けとなっている(2022年度)。

銅、アルミニウムなどの金属線のほか、ガラスを用いて光信号を送ることで高速・大容量の情報伝達が可能な光ファイバーも、電線の範疇に含まれる。


■市場の動向と展望

2021年度の市場動向

銅電線は電気機械・自動車を中心に回復、光製品は増加傾向

日本電線工業会の発表によると、2021年度の銅電線の出荷量(銅量ベース)は63万413トン(前年度比1.2%増)で3年ぶりに前年度を上回った。内需では電気機械部門が同4.9%増、自動車部門が同1.9%増と回復した。輸出は同12.6%増と好調だった。

出荷金額は前年度比20.8%増の1兆3,108億円。内需は同20.5%増、輸出は同26.0%増といずれも増加した。

光製品の出荷量(コア長ベース)は4,439万7,284kmコア(同6.9%増)と2年連続で高い伸びを示した。

2022年度の市場動向

銅電線、出荷量は減少も、金額ベースでは2ケタ増

日本電線工業会の発表によると、2022年度の銅電線出荷量(銅量ベース)は、前年度比1.7%減の61万9,585万トンだった。

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