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外食業界の動向と展望

(2023/10/27更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■ファストフード、カフェの業績動向
■ファミリーレストランの業績動向
■居酒屋チェーン、ビアレストランの業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■関連コンテンツ


■業界の概要

2022年の外食産業の売上規模は前年比13.3%増と増加傾向

外食業界は、主にファストフード、ファミリーレストラン、パブレストラン・居酒屋の業態に分類される。日本フードサービス協会の推計によると、2022年の外食産業売上規模は、3月にまん延防止等重点措置による営業制限が解除されたことや、原料高に端を発した価格改定による客単価上昇などの効果から、前年比13.3%増となった。

新たな戦略シフトとDXで、コロナ禍以前の水準を目指す

一方で、営業制限解除後も、夜間の外食需要や大口の宴会需要などが戻っておらず、コロナ禍以前の2019年の売上規模と比較をすると5.8%減となっている。特に、コロナ禍で大きな影響を受けた「パブレストラン/居酒屋」は、2019年比では51.8%減となっており、コロナ禍にはほど遠い状況となっている。

不安定な世界情勢などを背景とした原材料費やエネルギー価格の高騰、慢性的な人材不足などによる営業機会の損失など課題は多い。

そのためコロナ禍以前のような「繁華街立地」「大人数集客」「夜間営業」を成長条件としたビジネスモデルから、「脱店舗」「昼間営業」「持ち帰り・デリバリー」へと戦略をシフトする動きが加速している。またデジタル活用も進んでおり、人件費などのコスト削減や生産性の可視化・顧客管理に活用されている。


■市場の動向と展望

2021年度の市場動向

全店売上高は前年比1.4%減、19年対比では16.8%減と縮小

日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」によると、2021年の全店売上高は前年比1.4%減で、コロナの影響が発生した前年よりも市場が縮小した。

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が絶えず発出される中、満足に営業ができない状況が続いた。10月以降は感染状況も落ち着き営業制限が解除された結果、11月はほぼコロナ前の2019年水準まで戻り、回復の兆しも見られた。

業態別をみると、ファストフードは同4.8%増となり、強みであるテイクアウトやデリバリー需要が下支えとなり回復した。

一方、ファミリーレストランはテイクアウトなどに注力するも、営業制限で店内飲食が伸びず、同8.2%減だった。パブ・居酒屋は同42.2%減で、生活習慣の変化から営業制限が解除された10月以降も客足の回復は一部にとどまった。

2022年度の市場動向

行動制限の緩和や値上げにより全店売上高が回復基調に

日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」によると、2022年の全店売上高は前年比13.3%増加した。

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