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銀行業界の動向と展望

(2024/04/26更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■主要行の業績動向
■地銀・第二地銀の業績動向
■ネット銀行等の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■関連コンテンツ


■業界の概要

3大メガバンク体制の都銀、再編進む地銀、業容拡大の新形態銀行

普通銀行は、大都市圏に本店を構え全国展開する都市銀行(都銀)と、特定地域での営業を中心とする地方銀行(地銀)に大別される。

1998年に金融持ち株会社が解禁されて以来、都銀では傘下に証券・リースなどの子会社を持つホールディングス化が進み、現在では三菱UFJ、三井住友、みずほの3大メガバンク体制が確立。

一方、以前からオーバーバンキングが指摘されてきた地銀間で、資本提携・経営統合などが活発化し、生き残りをかけた再編が進行している。また、単独で持ち株会社体制へ移行する地方銀行も相次いでいる。背景には、証券業務やファンド運営などの機能を銀行傘下から切り離して機能を高め、取引先の多様なニーズに対応できる組織体制とする目的がある。

普通銀行に対して、店舗を持たずインターネットの活用により利便性や金利面で充実したサービスを提供する新形態の銀行が業容を拡大している。小売大手のイオン、セブン&アイホールディングス、ローソンや通販大手の楽天グループなどが子会社を通じて参入しており、顧客獲得競争が激化している。


■市場の動向と展望

2021年度の市場動向

貸出金、預金ともに引き続き増加。倒産件数は歴史的低水準

日本銀行(日銀)の「貸出・預金動向」によると、2021年度の銀行・信金の総貸出平均残高は、前年度比1.2%増の578兆8,499億円となった。都銀等は大企業の資金需要に一服感があり同0.7%減だったが、それ以外の業態はいずれも残高を伸ばした。 地銀・第二地銀や信金は新型コロナ関連の貸出需要は一服したが、引き続き事業者向けの資⾦繰り⽀援を積極的に行った。

同期間の銀行・信金の預金平均残高は、同4.9%増の991兆8,165億円だった。中でも地銀が同5.8%増と大きく伸びた。 先行き不透明感から手元資金を確保したい法人・個人による預金の増加が主な要因となった

官民一体の中小企業対策により、倒産件数が歴史的な低水準となった結果、与信関係費用が大幅に減少し、各行の収益を下支えした。

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