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不動産管理・ビルメンテナンス業界の動向と展望

(2023/09/04更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■不動産管理・ビルメンテナンス業の業績動向
■関連法規・団体
■業界天気図


■業界の概要

独立系企業も多数参入し、価格・サービス面で競争激化

不動産管理業は、建物の所有者に代わって、賃貸管理・建物管理(清掃・修繕など)・入居者対応(家賃集金・クレーム対応など)を行う。管理の対象は集合住宅や商業施設のほか、ホテル、病院などの大型施設が多く、事業者もマンションデベロッパーや流通系の系列企業が多い。

ビルメンテナンス業は、建物を維持・管理するための清掃・保守・機器(エレベーターなど)の運転などを行うもので、設備機器メーカーの系列企業が多い。

しかしいずれの業態においても近年は、低価格や柔軟なサービス対応を武器に独立系企業が多数参入している。

また、不動産管理・メンテナンスを手掛ける物件は経年劣化にともなう改修工事の受注も見込める。建築補修(改装・改修)投資は、建築投資全体に対し約25%を占めているため、同業界にとって、こうした建築補修の需要取り込みも重要となる。


■市場の動向と展望

2021年度の市場動向

マンションの新規供給量は停滞も、オフィスビルは堅調

不動産管理・ビルメンテナンスの対象物件となる施設の新規供給は、マンションが不調だったものの、オフィスビルや店舗が堅調に推移した。

国土交通省の「建築着工統計調査」によれば、2021年度のマンション着工戸数は首都圏での着工戸数が伸び悩み、全体では10万2,762戸(前年度比5.0%減)と3期連続の減少となった。

民間非居住建築物は、コロナ禍から徐々に回復の動きも見られ、着工棟数は同1.6%増の6,217万2,000㎡と、4期ぶりに増加に転じた。使途別では、「事務所」、「店舗」、「工場」の着工棟数がそれぞれ4.7%増、8.9%増、9.8%増と増加したが、「倉庫」は2.3%減となった。

2022年度の市場動向

マンション着工4期ぶりに増加、オフィスビルは減少へ転じる。店舗・工場は増加

不動産管理・ビルメンテナンスの対象物件となる施設の新規供給は、マンション、店舗、工場が増加したが、オフィスビル、倉庫は減少した。

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