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管工事業界の動向と展望

(2026/08/31更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■管工事の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

社会生活を支えるインフラ設備工事

管工事業とは、冷暖房や冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生などのための設備設置や、金属製管やダクト管などを用いて、水、油、ガス、水蒸気、空気などを送配する工事を担う業界を指す。具体的には、オフィス、住宅、病院、工場、データセンター、商業施設等における空調設備、換気設備、給排水衛生設備、ガス配管、厨房設備、浄化槽、管内更生などが含まれる。

社会生活を支える重要なインフラを新設するだけでなく、点検、修繕、更新を通じて長期にわたり機能させる役割を担っている。建物の快適性や衛生環境、生産設備の安定稼働を左右するため、管工事は建築物の性能や資産価値にも影響を及ぼす重要な工事分野である。

構成業者は、施主から直接受注する大手設備会社、ゼネコンの一次請けとなるサブコン、地域の配管・空調会社、専門技能業者がある。これまでは総合工事業者(ゼネコン)からの発注を請け負うことが多かったが、近年は施主が専門工事を直接発注する「分離発注」も増えてきている。

「分離発注」は発注者が設備工事会社の技術力や提案内容、価格を直接比較できるほか、設備会社にとっては元請けとして設計段階から案件に関与しやすくなる利点がある。一方、建築、電気、空調、給排水など複数工種間の調整責任が発注者側に移るため、工程管理や責任分界が複雑になる可能性もある。このため、設計・施工情報の共有や施工会社間の調整能力が、工事の品質と収益性を左右する。

市場は緩やかに安定成長

業界は、建設業界全体の景気動向、公共事業予算、住宅市場の動向、技術革新(特にエネルギー効率化関連)などにより、需要動向は大きく左右される。

近年の市場環境は、大都市圏の再開発やホテル・商業施設の改修、老朽インフラ更新に加え、脱炭素化を背景とした高効率化への更新需要などに支えられ、安定成長で推移している。

また、国の気候変動適応施策においても、水害の頻発・激甚化を踏まえ、河川や下水道の整備だけでなく、雨水貯留浸透施設、土地利用、建築物の浸水対策などを流域全体で組み合わせる「流域治水」が推進されている。国は、民間事業者による雨水貯留浸透施設の整備を支援する制度も設けており、官民が連携した浸水対策の重要性が高まっている。

そのため管工事業者の事業領域は、河川・下水道などの公共インフラに加え、民間施設における敷地内排水、雨水貯留設備、排水ポンプ、止水・耐水化設備、さらには浸水後の設備復旧といった防災・減災分野へと拡大しつつある。

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