■業界の概要
■市場の動向と展望
■ドラッグストアの業績動向
■調剤薬局の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
ドラッグストアの2022年度の市場規模は、前年度比2.0%増の8兆7,134億円(推定値、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)調べ)。
一般医薬品や化粧品、日用雑貨・食料品のほか、近年は調剤分野への積極的な取り組みが目立つ。新規出店や既存店のリニューアルも活発で、国内市場は成長を続けている。また、大手チェーンは新たな収益源を求めてASEANを中心としたアジア圏への進出を進めている。
厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、全国の薬局数は62,357施設(2022年度末時点)、前年度比0.9%増と増加傾向が続いている。病院に近接する「門前薬局」のほか、近年は利便性を重視した駅や住宅地近くの「面対応薬局」が増加している。
調剤薬局の経営は、国の診療報酬改定(調剤、薬価)の影響を受ける。国が推進する「かかりつけ薬剤師、かかりつけ薬局」を背景に、調剤に特化していた「対物」の枠組みから、服薬指導や調剤後のフォローなど「対人」業務に拡充する動きが進んでいる。
また、国はジェネリック医薬品の使用割合を2023年度末までに全ての都道府県で80%以上(数量ベース)の目標を掲げてきたが、2024年3月に2029年度末までに金額ベースで65%以上とする新たな目標を公表した。調剤薬局は、その実現に向けた推進役を担う。
経済産業省の「商業動態統計調査」によると、ドラッグストアの2021年度の商品販売額は前年度比2.2%増の7兆3,922億円だった。
感染予防対策商品の需要が継続したほか、調剤事業の好調や新規出店が続いた一方で、長期化するコロナ禍で化粧品需要の低迷に加え、食料品・日用品などで前年度の巣ごもり需要からの反動減もあり、成長には鈍化がみられた。
厚生省の「調剤医療費の動向調査」によると、2021年度の調剤医療費は前年度比2.7%増の7兆7,515億円、処方せん枚数は同4.8%増の8億205万枚となった。新型コロナの感染拡大による受診抑制で急減した前年度から、受信抑制が緩和されたことで処方せん枚数は回復基調に転じ、8億枚台に戻った。
経済産業省の「商業動態統計調査」によると、ドラッグストアの2022年度の商品販売額は前年同期比5.8%増の7兆8,206億円となった。