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証券業界の動向と展望

(2024/09/30更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■証券業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■関連コンテンツ

■業界の概要

有価証券の販売・流通を担う

証券業は、企業や政府等の発行体が資金調達を行う際に発行する株式や債券などの有価証券を、投資家に対して販売・流通させる役割を担う。

業務内容は、証券の購入募集・売り出しを行う「セリング業務」、証券の販売を引き受ける「アンダーライター業務」、売買を仲介する「ブローカー業務」、自己資金により証券を売買する「ディーラー業務」などである。

個人投資家、機関投資家、企業などを対象に、投資信託、株式、債券、デリバティブなど幅広い商品を取り扱う。それらの売買にともなう投資家からの手数料収入やトレーディング収益、投資信託やファンドの資産運用収入などを収益源とするが、近年は手数料を無料化する事業者も登場し、業界全体における手数料収入の構成比が減少している。この傾向は今後も進むとみられ、業界は新たな収益源の確保を求められている。

業況は、国内外の政治・経済動向、金利、為替、企業業績などによって変動する株式・債権相場に、大きく左右される。最近では、個人資産形成の促進に向けた政府の「資産所得倍増プラン」によるNISA(少額投資非課税制度)の拡充といった制度改革が、業界に影響を与えている。

ネット専業が勢力拡大

金融商品取引業者は、その事業内容に応じて第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業の4区分に分類される。証券業は、このうち第一種金融商品取引業に分類される。

野村、SMBC 日興、みずほ、大和、三菱UFJなどの大手がフルラインの業務を手掛ける。一方、準大手、中堅・中小、地場証券は、リテール特化などにより大手との差別化を推進している。

近年はグローバル化とIT化により、業界構造が大きく変化している。インターネット取引の普及によりネット専業証券が台頭し、取引手数料の安さなどを武器に勢力を拡大している。これに対し、既存大手もオンラインチャネルの強化を進めている。

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