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自動車部品業界の動向と展望

(2024/11/29更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■自動車部品製造業の業績動向
■自動車部品小売業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■関連コンテンツ


■業界の概要

多層構造で自動車産業を支える

自動車部品業界は、自動車に取り付けられるエンジン、車体、電気系統、内装などの部品を生産する企業で構成される。

自動車部品は

  1. エンジンや駆動系のパワートレイン
  2. 車体の骨格部分
  3. 内装・外装
  4. 電子・制御系
  5. 電動化専用部品(リチウムイオン電池やインバータなど)

などに分類される。

従来は1~3が主であったが、近年は自動車の電装化・電動化の進展により4と5の重要性が増している。そのため半導体や高電圧機器などの部品が増加しているほか、ソフトウェアも自動車部品の重要な構成要素となってきている。

また用途面では、

  1. 新車に取り付けられるOE(Original Equipment)部品
  2. 販売後の車検・修理などで使われる補修部品

にも分けられる。

サプライチェーンでは、完成車メーカーと直接取引する一次サプライヤー(Tier1)がシステムモジュールを担当し、その下に連なる二次(Tier2)、三次(Tier3)サプライヤーが素材や機能部品を提供することが多い。

CASEやカーボンニュートラル対応による変革

2010年代に「CASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)」の概念が提唱され、自動車業界における「100年に一度の大変革」を促すものとして注目を集めた。

CASEとは、車両がインターネットに接続される「Connected」、自動運転の「Autonomous」、シェアリングエコノミーの「Shared」、そして電動化の「Electric」を指す。

中でも電動化が自動車部品業界に与える影響は大きく、モーター、インバーター、リチウムイオン電池、SiCパワー半導体などの新しい部品の需要が増加した。そのような中、従来の内燃機関に関連する部品を扱ってきた企業は、新しい技術や市場への対応が求められるようになった。

さらに2020年代半ばからは、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出を実質ゼロにすること)への対応が政策と市場の両方で必達目標となり、車両メーカーは一次サプライヤーに対してCO₂削減を求めるようになった。この要求はさらに二次サプライヤーや三次サプライヤーにも波及し始めている。

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