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スーパーマーケット業界の動向と展望

(2025/07/30更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■総合スーパーの業績動向
■食品スーパーの業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

総合スーパーと食品スーパーに大別

スーパーマーケットは、食品や日用品を中心に幅広い商品を販売し、取り扱う商品や店舗の規模などにより、総合スーパー(GMS)と食品スーパー(SM)に大別される。

総合スーパー(GMS)は、食品、衣料品、生活用品、家電製品、家具など幅広い商品を取り扱う大規模な店舗である。これにより、消費者はワンストップショッピングが可能となる。また、大型駐車場が併設されている店舗が多く、広範囲な地域からの集客も特徴の一つ。代表的な総合スーパーには、イオンやイトーヨーカ堂などがある。

食品スーパー(SM)は、生鮮食品や総菜などの加工食品を中心に日用雑貨を販売している。総合スーパーより規模は小さく、日常的に利用されることから、地域密着型の店舗が多い。ライフコーポレーションやヤオコーなどに代表される。

企業再編や不採算店舗の閉鎖で店舗数は頭打ち、PB商品で差別化

経済産業省「商業動態統計調査」によると、2024年度のスーパーの事業所数は前年度比0.5%増の5,994店と微増に留まった。2025年2月にイトーヨーカ堂が構造改革の一環として不採算店舗34店の閉店を完了させるなど、近年は大手を中心としたM&Aによる企業再編や不採算店舗の閉鎖などもあり、事業所数は頭打ちとなっている。

また飲食品価格をめぐっては、天候不順や自然災害で収穫量が減少したことによる原材料価格の上昇、人手不足を背景とした人件費の上昇、燃料価格高騰による物流コストの上昇、世界情勢を背景とした円安など様々な要因が重なり、国内では記録的な値上げが続いている。そのような中、消費者の節約志向は強まっており、スーパーマーケット業界の価格競争は激化している。

そのため業界各社では、イオングループの「トップバリュ」やセブン&アイグループの「セブンプレミアム」などのプライベートブランド(PB)商品による低価格帯の強化だけでなく、環境に配慮した付加価値商品投入による消費者層のターゲット拡大、ポイント還元や会員限定の割引サービスなどにより、各社の差別化や顧客囲い込みが進んでいる。

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