■業界の概要
■市場の動向と展望
■通信販売業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
通信販売は、電話、インターネット、郵便などを通じて商品やサービスを直接消費者に販売する。以前の販売方法は、カタログ販売、テレビ通販、ネット通販(EC)など、各社のターゲット層や販売チャネルは明確に分かれていた。
しかし、スマホの普及により、テレビやカタログ、SNS、YouTubeなどで商品を知り、ECサイトやスマホアプリで購入するなど、販売チャネルの垣根はなくなりつつあり、現在は「チャネル融合(オムニチャネル)」が主流となっている。
またコロナ禍で、オンラインチャネルへのシフトが進み、市場の拡大は続いている。市場が拡大する中、参入企業の増加による集客難、大手ECプラットフォーマーの寡占化進行、物流網のDX化が課題となっている。
国土交通省によると、2023年度の宅配便取扱個数は前年度比0.3%増の50億733万個だった。2013年度の宅配便取扱個数は36億3,700万個で、この10年間での増加率は38%となり、市場規模拡大にともなう宅配便取扱個数の増加が顕著に現れている。
市場規模が拡大する通販業界では、物流における人手不足や燃料コストの高騰など課題解決への取り組みが求められ、送料の値上げや配送日を遅く設定するなどの対応が進められている。
対応の一つとして、物流拠点の新設や、外部企業との連携、通販業者による共同配送センターの活用などが見られた。
ZOZOが運営するファッションEC「ZOZOTOWN」では、2024年8月から配送ドライバーの負担軽減やCO2排出量の低減などを目的に、通常配送よりも余裕のある時期に配送される「ゆっくり配送」を本格導入した。
またアスクルでは、BtoB と BtoC の物流を担う東日本の基幹センター「ASKUL 関東 DC」が開所し、2025年6月から本格稼働を開始。関東DCは従来センターのコンベア設備に加え、近年国内でも導入が進んでいる AGV(自動搬送ロボット)を積極的に導入し、さらなる高度自動化、高効率化を実現した。