■業界の概要
■市場の動向と展望
■クレジットカード業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
クレジット業界とは、個人や企業が「後払い」で商品やサービスを購入できる仕組みを提供する金融サービス全体を指す。クレジットカードの発行、各加盟店への決済ネットワークの提供、利用者の信用(与信)管理、支払い代行などが主要な業務となる。
加盟店から手数料や利用者からの決済手数料、年会費、利息などが収益源となっており、利用者からの決済手数料には、「分割払い」「リボ払い」「キャッシング」などがある。また、カードを発行する主体には、銀行系、信販系、消費者金融系、電子マネー事業者などがあり、Visa・Mastercard・JCBといった国際ブランドが決済インフラを支えている。
日本クレジット協会「クレジットカード発行枚数調査結果」によると、2025年3月末のクレジットカード発行枚数は3億2,057万枚(前年同月末比2.2%増)となり、10年連続で増加している。また経済産業省によると、2024年の民間最終消費支出額に占めるキャッシュレスの割合は、42.8%となっており、政府目標である「2025年6月までに4割程度」を達成した。政府は将来的にはキャッシュレス決済比率80%を目指し、環境整備を進める。
EC市場の拡大、スマホ決済やキャッシュレス決済の普及、カード使用可能店舗の拡大などが追い風となるも、各社による会員獲得競争は激化している。一方で、地方や高齢者層には依然として現金利用志向が高く、普及には地域差が見られる。
国内のクレジット業界において、2024年に発生した不正利用による損失額は前年比2.6%増の555億円に達し、過去最高を更新した。(日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」)なかでも「番号盗用被害額」は全体の約92.5%を占め、513億5,000万円になり、2014年(67億3,000万円)からの10年間で、被害額は約7.6倍も拡大している。
クレジットカード取引に関わる事業者が実施すべきセキュリティ対策を定めた「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が2025年3月に改訂され、EC加盟店は、不正利用対策としてEMV‐3Dセキュアの導入と適切な不正ログイン対策の実施が盛り込まれた。
一方で、クレジットカードの与信基準が「過剰与信」になることで、返済能力を超えた利用が問題視されているほか、消費者保護の観点から業界の監視を強化する制度整備も進む。