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セメント業界の動向と展望

(2025/08/29更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■セメント製造業の業績動向
■セメント二次製品製造業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

セメント需要、ピーク時から縮小傾向続く

セメント業界は、インフラ整備や建築物の建設に用いられるセメントを製造・販売する企業群を指す。セメント主原料の石灰石は国内自給率100%だが、焼成に用いられる石炭を輸入に頼るため、石炭価格が企業収益に影響を及ぼす。

戦後の高度成長期におけるインフラ整備によって、セメントの需要は急速に拡大し1990年にピークを迎えるも、バブル経済の崩壊以降、リーマン・ショックや公共工事や住宅着工戸数の減少、ストック型社会への移行などにより減少傾向を辿っている。セメント国内需要(官需+民需)は、1990年度に8,628万6千トンだったが、2024年度は前年度比5.6%減の3,263万トンと、1990年度のピークからは6割近く減少している(「セメント協会」推計)。

セメントは製造時に石炭を燃焼するため大量の二酸化炭素を排出する。石炭への依存度を減らすため、廃プラスチックを利用するなど、環境負荷低減に向けた取り組みが求められている。

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