■業界の概要
■市場の動向と展望
■飲料製造業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
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飲料市場には、炭酸飲料・ミネラルウォーター・コーヒー飲料・緑茶飲料・その他の茶系飲料・果実飲料などが含まれる。
全国清涼飲料連合会「清涼飲料水統計2025」によると、2024年の清涼飲料の販売金額は4兆7,314億円だった。内訳はコーヒー飲料が19.6%、茶系飲料が19.6%、炭酸飲料が18.6%、ミネラルウォーター類が10.1%となっている。
販売量は、季節性や天候によって左右され、とくに夏場の需要が高く、猛暑が消費を後押ししている。
国内市場は成熟しているが、近年は無糖飲料や低カロリー飲料の市場が拡大している。背景には消費者の健康志向の高まりがあり、特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品として売り出される飲料も増加している。
しかし少子高齢化・人口減少により、今後の国内市場は縮小していくと見られる。そのため各社は、健康食品・サプリメント、医薬品といった飲料以外の分野や、海外への展開も進めている。
経済産業省「2024年経済構造実態調査(製造業事業所調査)」によると、2023年の「炭酸飲料」や「ジュース」など飲料系6品目の産出事業所数の合計は1,472事業所となり、出荷金額は2兆3,840億円だった。出荷金額のうち72.2%に当たる1兆7,220億円を従業者100人以上の328事業所が占めており、上位企業による寡占市場となっている。
清涼飲料市場での売上高では、サントリー食品インターナショナルとコカ・コーラグループの2強となっている。
流通チャネルとしてはコンビニエンスストア、スーパーマーケットの割合が大きい。また近年は、健康志向商品の増加からドラッグストアも重要な販路となっている。これらの店舗の限られた商品陳列スペースを巡って、メーカー間で激しい競争が行われている。
日本市場の特徴として、自動販売機が重要な販売チャネルになっていることが挙げられる。世界でも有数の自動販売機の普及国である日本では、駅、オフィスビル、学校、病院、公共施設などさまざまな場所に飲料の自動販売機が設置されており、その立地確保を巡っても激しい競争が行われている。
多様なチャネルがあり、かつ季節や天候による需要の変動も大きいことから、柔軟かつ効率的な配送が重要になる。一方で、人手不足や燃料費の高騰により物流分野の輸送力はひっ迫し、コストも増大している。そのため、デジタル技術の活用や他メーカー・小売業者との共同配送などによる、配送効率化が進められている。
飲料容器として使用されるペットボトルは、使用後に廃棄されることで大量のプラスチックごみを生み出す。適切に処理されず河川や海に流れ込んだものは海洋プラスチックごみの一因となるほか、紫外線や波の作用でマイクロプラスチックと呼ばれる微小なプラスチック片となり、海洋生物や人間の健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
そのため、ペットボトルのリサイクル推進やプラスチック使用量の削減が、飲料メーカーにとって重要な課題となっている。