■業界の概要
■市場の動向と展望
■建設機械製造業の業績動向
■建設機械リース・レンタル業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
建設機械業は、建設現場で使用される機械の製造、販売、レンタル、メンテナンスなどを行う。主な製品には、油圧ショベルやブルドーザー、クレーン、ロードローラーなどが含まれ、建築・土木工事だけでなく除雪や畜産などにも使用され、その活用範囲はとても広く、社会インフラを支える重要な役割を果たす。
戦後の高度経済成長期には、道路・ダム・鉄道といった大規模なインフラ整備の需要を背景に、市場が急速に拡大した。その後、1980年代以降は技術力を武器に海外市場へ積極的に進出し、北米・欧州市場に加え、中国や東南アジアをはじめとする新興国での需要拡大が業界を牽引してきた。
現在、建設機械の輸出金額が国内出荷金額を上回る状況が続いており、自動車・精密機械と並ぶ日本の代表的な輸出産業の一つとして位置付けられている。一方で、欧米や中国の大手メーカーとの競争が激化しており、国内企業は海外でのM&Aや業務提携、販売網の拡充など、グローバルな事業展開を一層強化している。
世界的な脱炭素化への流れを背景に、大型機械だけでなく、中小型機械においても、電動化やハイブリッド化、自動運転などの技術革新が進んでおり、新製品の開発競争も活発化している。
また、地球温暖化対策の一つとして注目される「モーダルシフト」だが、機械用部品の輸送をトラック輸送から環境負荷の少ない鉄道コンテナ輸送へ切り替えるなど、業界各社の取り組みが加速している。
一方、業界内の課題である少子高齢化にともなう国内の建設需要の減少や労働者不足への対応として、建設機械の遠隔操作やICT建機(情報通信技術を活用した建機)の普及も進むと見られ、生産性向上や安全性確保に向けた取り組みも加速する。