■業界の概要
■市場の動向と展望
■航空機・鉄道車両業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
航空機業界は、商業航空機、軍用機、ヘリコプターなどの航空機、エンジンなどの航空機部品・装備品の製造、保守・整備、システム供給、運航、および関連するサービスを提供する。
戦後の占領政策下で一時的に航空機の製造が禁止されたが、1950年代以降に再開し、1960年代にはジェット機の製造技術が導入された。1970年代にボーイング民間機の国際共同開発に日本企業が参画したことで、産業基盤が形成された。
国内の航空機業界は高い技術力を有するものの、国内市場規模が欧米に比べて小さいことから量産効果が得にくい。そのため、開発投資の回収や人材育成、事業の安定性といった面で構造的な課題を抱えている。
一方、日本航空機開発協会「航空機需要予測」(2025年3月)によると、航空旅客需要は2044年まで年率3.6%で成長が見込まれている。特に、アジア地域の経済成長にともなう航空旅客需要の増加が、機体・エンジン・装備品の需要拡大を後押しするとみられる。また、航空機のハイブリッド化・電動化や無人航空機、空飛ぶ車などの新市場の技術発展が、航空機市場拡大につながると期待される。
鉄道車両業界は、新幹線や在来線の車両、地下鉄、モノレール、貨物列車などの鉄道車両、車両に関連する電気機器・機械部品、信号・保安装置などの製造、設計、整備、および関連サービスを提供する産業である。国内外の鉄道事業者に対して車両を供給し、輸送システム全体の効率化と安全性向上に寄与している。
第二次世界大戦後、鉄道車両の技術革新が進み、1964年に世界初の高速鉄道である新幹線が開通した。このことが国内の鉄道車両開発の礎となり、その後の新線・高速化・地下鉄整備につながった。近年は国内市場が成熟化する中、英国・アジア・北米・アフリカなど、海外の鉄道インフラプロジェクトへの参画が増加している。また世界的な脱炭素への流れを背景に、バッテリー車両、ハイブリッド車両、水素燃料電池車両などの次世代車両の開発も進む。
中国や欧米企業の台頭により海外市場での競争が激化する中、日本は価格競争ではなく、安全性や信頼性、ライフサイクルコストの優位性を強みとして訴求している。加えて、運行ノウハウの提供や人材育成、技術支援を含めた総合的な提案を行うため、官民が連携して海外展開を進める動きが強まっている。