■業界の概要
■市場の動向と展望
■総合商社の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
総合商社は、多岐にわたる商品やサービスを扱い、原材料の調達から最終製品の販売、投資やインフラ運営など幅広い事業を展開する。世界中の企業や市場と結びつく広いネットワークや情報により、ビジネスを組み立てている。
代表的企業は三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅・豊田通商・双日の7大商社となっており、日本経済の多分野において中核的役割を担っている。
当初は海外からの輸入品を取り扱う貿易商社として発展し、戦後の高度経済成長期には、国内外での資源確保や製品輸出の中継役として、「ラーメンからミサイルまで」と言われるように扱い品目は多岐にわたり、国内産業再建に不可欠な役割を果たした。その後、輸出入仲介にとどまらず、エネルギー・インフラ・物流などの大規模案件への事業投資、金融機能やプロジェクト運営能力を含む「総合事業会社」へと進化した。
大手商社の収益は資源価格の影響を強く受ける一方で、近年は非資源分野のポートフォリオ強化が進み、資源市況の変動リスクを平準化するモデルへ転換している。
近年は、グローバル市場の成長と新興国の経済発展を背景に成長を遂げており、特にアジア地域は、インフラ整備や消費市場の拡大が続いており、商社にとって新規投資の好機となっている。
また、脱炭素化を軸とするグリーントランスフォーメーション(GX)の本格化も重要な投資機会である。水素・アンモニアの国際サプライチェーン構築、洋上風力発電事業、再生可能エネルギー投資、サプライチェーンの高度化や持続可能な開発目標(SDGs)に対応した事業展開など、多様な投資機会が商社の事業領域拡大を後押ししている。
一方で、直面する課題として、地政学リスクの高まりによる国際サプライチェーンの分断、資源価格の変動、環境規制の強化などがある。加えて、GXやデジタル領域での競争激化に対応するため、新たな技術・知見の習得や新規ビジネス創出のスピードも求められている。またコンプライアンス体制の強化やサステナビリティ経営への本格的対応が不可欠となっている。