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ディスカウントストア業界の動向と展望

(2025/09/30更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■ディスカウントストアの業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

市場拡大傾向も、競争激化やコストアップが課題に

ディスカウントストア業界は、低価格で多品種の商品を提供する小売業態であり、主に総合型ディスカウントストア(食品、日用品、衣料品、家電などを幅広く扱う)と、均一価格で販売するワンプライスショップ(例:100円ショップ)に分類される。

生活必需品を中心に取り扱うため、景気変動に強く、安定した需要が見込まれる業界である。物価上昇や所得格差の拡大による消費者の節約志向や生活防衛意識の高まりを背景に成長を続けており、近年はインバウンド需要も市場拡大を下支えしている。

業界内では低価格競争に加え、プライベートブランド(PB)の開発や店舗の利便性向上、デジタル技術の活用などを通じて、各社が差別化を図っている。

一方で、仕入れコストの上昇、人件費・物流費・光熱費の増加などが課題となっている。とくにワンプライスショップは海外からの仕入れに依存しており、円安局面では仕入れコストが増加する傾向にある。また、全国規模で店舗展開を行う企業においては、配送網の維持や人材確保が経営課題となっている。これらのコスト要因は価格競争力を維持する上で大きな障壁となっており、業務効率化やサプライチェーンの見直しが求められている。

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