■業界の概要
■市場の動向と展望
■鉄道業の業績動向
■バス業、タクシー・ハイヤー業の業績動向
■航空旅客輸送業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■関連コンテンツ
旅客輸送業界は、人々に移動サービスを提供する産業であり、鉄道、航空、バス、タクシー、フェリーなどの交通手段が含まれる。また、公共交通機関としての性質から、国土交通省の規制のもとで、運賃や安全基準が管理・監督されている。
鉄道はJRグループや私鉄、地下鉄、モノレールなどが含まれ、都市間輸送や都市内輸送を担う。航空は国内線・国際線を運航するANAやJALが主要プレイヤーだったが、航空規制緩和により格安航空会社(LCC)が増加し、競争が激化している。バスは都市内の路線バス、都市間高速バス、観光バス、貸切バスなどが含まれる。タクシーは個人タクシーと法人タクシーに大別されるが、2024年4月からは一部地域で「ライドシェア」が解禁され、一般ドライバーによる有償運送が可能になった。フェリーは国内の港間を結び、離島では重要な移動手段となっている。また旅客だけでなく自動車やトラックなどの車両輸送もできることが特徴。
2020年のコロナ禍では、4月の緊急事態宣言で外出・移動が制限されたことや、訪日外客数が前年比87%減少するなど、鉄道・航空・バスなどの旅客輸送数は過去最大の落ち込みとなった。2022年3月にまん延防止等重点措置が全面解除され、10月には「全国旅行支援」が開始し、入国者の上限撤廃や個人の外国旅行客の入国解禁など水際対策が大幅に緩和されたことで、国内の旅客輸送業は回復へ向かった。その後2023年5月に新型コロナの感染法上の位置付けが5類へ移行したことで、各交通機関の旅客数はほぼ正常に戻った。
一方で、訪日外客数が過去最高を更新しつづけているものの、物価高や円安の影響で国内旅行の需要は鈍化傾向となっており、オーバーツーリズムなどの課題も顕在化している。
国内で少子高齢化や人手不足が社会的な課題となる中、旅客輸送業界でも人口減少による需要縮小や運転士・整備士などの高齢化が進み、地方路線の廃線や減便、採用難が深刻化している。
国土交通省では、「地域公共交通確保維持改善事業」として①地域の特性に応じた生活交通の確保維持(地域公共交通確保維持事業)、②快適で安全な公共交通の構築(地域公共交通バリア解消促進等事業)、③地域公共交通ネットワーク形成に向けた計画等策定の後押し(地域公共交通調査等事業)の3点を重視し、地域の公共交通の確保・維持、利便性の向上に関する支援事業を進めている。