■業界の概要
■市場の動向と展望
■情報提供サービス業、携帯コンテンツ業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
情報提供サービス業は、企業・個人が必要とするデータやコンテンツを収集・加工し、ユーザーが検索・閲覧・分析できる形で提供する産業である。具体的には、データベースを活用して企業情報、地図、求人情報などを提供する事業や、インターネットを介してゲーム、音楽、動画、電子書籍などの一般消費者向けオンラインコンテンツを配信する事業が存在する。
また近年は、API経由でのデータ提供、マーケティング支援、レコメンド機能など、情報提供と分析処理が一体化したサービスも増えている。これらは通信インフラ上で稼働し、データとコンテンツの「価値創造」を担う中核産業として位置付けられる。事業者は広告、課金、データ利用料など多様な収益モデルを組み合わせ、ユーザー基盤の拡大とデータ活用の高度化によって競争優位を構築している。
1990年代のインターネット普及を契機に、地図、求人、ニュース、ポータルサイトなど一般向けサービスが急速に拡大した。その後、スマートフォンの普及により、ゲーム・動画・音楽配信やSNSのようなプラットフォーム型サービスが主流となり、サブスクリプション、広告、アイテム課金など複合的な収益モデルが確立した。
近年はクラウド基盤と生成AIが業界構造を変えつつあり、膨大なデータを迅速に処理して個別最適化された情報を提供することが求められている。同時に、異業種連携が進み、金融、モビリティ、ヘルスケアなど多領域とのデータ結合を通じてプラットフォームを構築し、新たな価値創出を行う動きが活発化している。
情報提供サービス業界には、デジタル化の進展、データ利活用の促進、クラウド・AIの普及といった大きな成長機会が存在する。特にリアルタイムデータ分析、パーソナライズコンテンツ、eスポーツやインタラクティブ動画など新市場の拡大は重要な追い風となる。角川アスキー総合研究所の「日本eスポーツ白書2024」によると、2023年の国内eスポーツ市場は前年比17%増の147億円となり、その内訳は、イベント運営37.6%、スポンサー料36.6%、放映権10.4%など周辺ビジネスを含めた多層的な収益構造が形成されている。
一方で、巨大プラットフォームとの競争激化、コンテンツ調達コストの高騰、個人情報保護対応の強化、ゲーム依存・課金トラブルなど社会的課題への対応など課題も多い。また、電気通信事業法の外部送信規律、個人情報保護法、特定商取引法、資金決済法など規制環境が厳格化しており、法令遵守と透明性の高いデータ管理が業界全体の競争力を左右する。これらを踏まえ、事業者には収益多角化とガバナンス強化を両立させる戦略的経営が求められている。