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カラオケ業界の動向と展望

(2025/10/30更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■カラオケ業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■関連コンテンツ

■業界の概要

1990年代をピークに市場縮小、新型コロナで打撃も回復基調

カラオケ業界とは、音響機器を用いて楽曲に合わせて歌唱を楽しむサービスを提供する事業群を指す。主に「カラオケボックス」と呼ばれる個室型施設を運営する企業が中心であり、音響機器メーカー、楽曲配信事業者、飲食提供業者なども含まれる。

市場規模は1990年代にピークを迎えたが(参加人口は1994年5,890万人、ルーム数は1996年16万680ルーム)、その後は少子高齢化や娯楽の多様化により緩やかな縮小傾向に転じた。2000年代以降は設備の高機能化や低価格化、飲食との融合などにより一定の需要を維持していたが、コロナ禍により2020年度に前年比43.7%減の2,620万人、2021年度も2,590万人と大きな打撃を受けた。しかし、感染予防対策の浸透や新型コロナ収束にともない、2024年度は4,070万人まで回復している。

歌唱以外の需要や、インバウンド需要の開拓に活路

コロナ禍による打撃からは回復しつつあるものの、人口減少や娯楽の多様化により、従来の顧客層を対象とした市場の成長余地は限られる。

これに対し業界は、利用目的の多様化による新規需要の創出に取り組んでいる。従来の「歌う」目的に加え、DVD鑑賞やオンライン会議、勉強会、研修利用など、防音性のある個室空間という特性を活かした、空間提供型の多目的サービス業としての展開が進んでいる。

また、カラオケ機器の技術革新やスマートフォン連携、AI採点機能などの導入により、エンターテインメント性を高めることで、利用者層の拡大が図られている。

訪日観光客の増加によるインバウンド需要も追い風となっており、多言語対応や観光プランとの連携が進められている。

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