■業界の概要
■市場の動向と展望
■花き・園芸業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
花き・園芸業界は、花や観葉植物、園芸用品の生産、販売、流通を行う。取り扱う商品は、生花や鉢植え植物、球根、多肉植物、園芸用土壌や肥料、用具などを扱い、消費者向けの小売店から、企業のオフィス緑化、都市景観を整備する造園業者、さらに冠婚葬祭の装飾を担う専門サービス企業まで、幅広い業態で構成されている。
日本では、古くから「生け花」「日本庭園」「盆栽」といった独自の文化が発展しており、生活の中で花を楽しむ習慣が深く根付いている。こうした文化的背景が、花き需要の底堅さや園芸への親しみやすさにつながっており、業界の基盤となっている。
近年は、コロナ禍による冠婚葬祭件数の減少により一時的に需要が落ち込んだものの、自宅で過ごす時間が増えたことで家庭園芸の人気が高まり、市場を下支えした。また、都市部ではヒートアイランド対策や生物多様性の保全を目的とした緑化プロジェクトが増加、エコロジカルデザインも普及している。観光需要の回復にともない、花の名所や大規模ガーデンイベントが注目を集めている点も、業界にとって追い風となっている。
一方で、気候変動による気温上昇や豪雨リスクの増大は、生育管理や出荷計画に影響を与え、生産者の負担を高めている。輸送コストの上昇や円安による輸入品価格の変動、海外産との価格競争の激化など、コスト面での課題も深刻化している。また、近年の物価高によって一般家庭での花の購入頻度が減少する傾向も見られている。
そのような中、業界各社ではオンライン販売、サブスクリプションサービス、定期配送などの、新たな販売チャネルや付加価値サービスの開発を加速している。