■業界の概要
■市場の動向と展望
■ペットフード・用品製造業、同卸売業、ペットショップの業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■関連コンテンツ
ペット業界は、犬・猫を中心としたペットの飼育、健康管理に関わる商品やサービスを提供する。具体的には、生体販売、ペットフード・用品製造販売、医療サービス、ペット保険、トリミングやペットホテルなどが含まれる。
近年、ペットは飼育対象から生活を共にするパートナーへと位置付けが変化しており、「家族化」が進んでいる。また、高品質なフード、予防医療の普及、室内飼育の増加によりペットの「長寿化」も進んでいる。そのため、新たな関連市場が創出され、市場は成長傾向にある。コロナ禍での在宅時間増加を背景に、飼育需要が一時的に増加したことも市場拡大を後押しした。
コロナ収束後は、飼育頭数が伸び悩むも、1頭あたりの支出金額は増加している。背景には、原材料費や物流費の上昇にともなう商品価格の改定に加え、多様化する消費者ニーズに対応した高付加価値商品・サービスの投入がある。健康寿命ニーズの高まりによる、プレミアムフード、医療、サプリメント、介護、リハビリといった領域、またペット同伴ツアーやホテルなど体験型サービスも拡大している。
さらに、観賞魚や小動物、爬虫類など飼育対象の多様化も新たな市場創出につながっている。加えて、テクノロジーの進展により、IoT機器やヘルスケアデータ活用などの新規ビジネスも注目されている。
今後は少子高齢化社会における「心のインフラ」としてのペットの役割が強まり、社会的価値の高い産業としての成長が期待される。
劣悪な飼育環境で犬や猫のペット繁殖や販売を行う悪質業者が社会的問題となり、悪質業者の排除および動物の健康と安全を守ることを目的に、2019年6月に「動物愛護法」が改正された。同法は2020年6月以降に段階的に施行され、2024年6月に完全施行された。
これにより従業員1人当たりの上限飼育頭数が義務化された。ペットショップやブリーダーでは、従業員の人数に応じて飼育可能頭数が明確に制限されることから、生体の確保や従業員の在籍数などに関する対応が見られた。
その一方で、名義上での従業員増加による水増しや、知識・経験不足な非正社員率の増加による動物管理水準の低下などの問題も浮上しており、自治体による監視体制の強化が課題となっている。