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GXを推し進めるうえで、産業界で今後対応が加速すると見られているのが、サプライチェーン全体での脱炭素化だ。SBT(Science Based Targets、パリ協定が求める水準に5~15年先を目標年として企業が設定する温室効果ガス削減目標)を定めて活動する企業もあり、国内での取り組みはこれから本格化が見込まれる。

環境省では2019年度からサプライチェーン全体の脱炭素化に向けたモデル事業を支援している。

カルビー株式会社は、2022年度にその事業に参加し、サプライヤーとの排出削減ロードマップを策定した。「健康に役立ち、安全で安価な商品づくりと、未利用な食糧資源を活かした商品づくりを目指して、社内の英知を結集するために企業を組織する。」という創業の精神を持つ同社は、創業当時からサステナビリティを意識した企業とも言える。

同社がどのようにGX を推進するのか、取り組みや今後の展望などを聞いた。

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サステナビリティ推進本部 本部長 後藤 綾子 氏

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サステナビリティ推進本部 サステナビリティ推進部 部長 高木 星治 氏

コーポレートコミュニケーション本部 グループ広報部 部長 吉田  聡 氏


-「 脱炭素経営「」サプライチェーンでの排出量削減への取組み」についてお聞かせください

脱炭素経営を推進する組織として、2019年に「ESG 推進室」を立ち上げました。それが「サステナビリティ推進室」へ、2022年4月からは「サステナビリティ推進本部」へと組織拡大しました。

具体的な活動内容としては、2020年に、カルビーグループが将来にわたって事業活動を継続するために重要な課題として「マテリアリティ」を8つ特定し、その実現に向けた重点テーマを策定しました。

①食の安全・安心の確保、②健やかさと多様なライフスタイルへの貢献、③農業の持続可能性向上、④原料調達・物流の効率化と安定的な確保、⑤地球環境への配慮、⑥人・地域社会・コミュニティとのつながりの深化、⑦多様性を尊重した全員活躍の推進、⑧コーポレート・ガバナンスの強化です。

(昨年度、マテリアリティの見直しを行い、5つに再特定)


- 農業に深く関わる企業として、気候変動への対応は重要課題ですね

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