本連載では、日本企業の進出先として想定される世界各国の政経情勢を取り上げる。第25回はる。フランスを紹介する。フランス経済は、2024年半ばまで個人消費と設備投資を支えに底堅い成長を続けていたが、足元では景気がやや鈍化している。以下では、フランス経済の現状を深堀するとともにトランプ関税がフランスに与える影響を分析したうえで、フランス経済の先行きを展望する。
■堅調な個人消費と積極的な外資誘致がフランス経済の原動力
■内政の混乱が企業の投資判断を阻害している
■相対的に影響は小さいものの、米国発の貿易戦争も重石に
フランス経済はコロナ禍以降、底堅い個人消費と堅調な設備投資を支えに2024年半ばごろまで順調に成長を続けてきた。
フランスの個人消費は、2020年のコロナショック以降、底堅い回復を続けている。その背景には、①堅調な雇用環境と、②インフレ抑制の成功が存在する。