本連載では、日本企業の進出先として想定される世界各国の政経情勢を取り上げる。
第21回は豪州を紹介する。豪州経済は2021年10~12月期以降、11四半期連続でプラス成長を維持しているが、成長ペースは徐々に鈍化している。今後はアルバニージー政権による対中貿易の正常化進展から対中輸出の好転が見込まれるほか、2024年下期の所得税減税の実施もあり、成長率の鈍化に歯止めがかかる見通し。
もっとも、インフレ率は依然として目標から上振れており、豪州の中央銀行であるRBA(豪州準備銀行)は高金利政策を維持している。インフレ抑制と経済成長持続の両立が、今後の政策運営の課題である。