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水産業界の動向と展望

(2026/09/30更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■水産・水産加工業、水産卸売業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■関連コンテンツ

■業界の概要

漁獲量は減少傾向

水産業界は、水産物の採捕を行う「漁業」、人工的に繁殖させる「養殖業」、水産物を原料に缶詰・練り製品・冷凍食品など様々な食品を製造する「水産加工業」、これらの流通を担う「水産卸売業」などで構成される。

水産物の多くは鮮度維持のため冷蔵・冷凍状態で保管・輸送されることから、冷蔵倉庫業などの低温物流企業も、水産物の流通を支えている。

島国である日本は豊かな水産資源に恵まれ、それらが食生活の中核を占めてきた。しかし近年は、海水温や海流など海洋環境の変化、資源状態の悪化、周辺水域における外国漁船の操業活発化など、複数の要因を背景に、日本の漁獲量は長期的な減少傾向にある。

漁獲量の減少を受けて、魚価は上昇傾向にある。加えて洋食化の進行や調理の簡便化ニーズ、若者の魚食離れなどにより、国内の1人当たりの魚介類消費量は年々減少している。その回復に向けて、ライフスタイルの変化や消費者の簡便化志向に合わせた商品の開発が求められている。

漁業従事者も減少傾向

生産構造としては、沿岸漁業が漁船隻数・経営体数・就業者数の大半を占める。一方、沖合・遠洋漁業は経営体数こそ少ないものの、漁業生産量の過半を占めている。

就業者数も長期的な減少傾向が続いており、担い手の確保・育成が業界共通の課題となっている。加えて、燃油・配合飼料・人件費等のコスト上昇も収益を圧迫しており、事業継続上の課題となっている。とくに給餌養殖業では飼料価格の高騰が採算悪化の一因となっている。

輸出入は拡大傾向

一方、世界的な健康志向の高まりや日本食ブーム、新興国における所得向上や低温物流インフラの整備などにより、海外における魚食需要は高まっている。そのため水産事業者や業界団体は、輸出先の開拓や海外事業の強化を進めている。こうした動きもあり、水産物の輸出額は、2012年の1,698億1,600万円から2025年には4,230億7,000万円へと拡大している。

また、輸入額も長期的に増加傾向にある。遠洋漁業の縮小や高級魚需要の高まりにより、魚種によっては自国漁獲だけでは需要を満たせなくなっていることや、海外養殖生産量の増加がその背景にある。また、世界的な需要の高まりによる国際的な調達競争や水産物価格の上昇、さらには近年の円安も、輸入額を押し上げる要因となっている。

変化する業界環境への対応

水産業の業績は、海水温などの海況の変化や、国際的な水産物市況・為替レートの変動に大きく左右されるようになった。そのような中で業績を安定させるため、大手は養殖による安定生産や、水産加工食品・冷凍食品事業の強化を進めている。

こうした中、水産庁は養殖業の成長産業化を重点施策の一つに位置付け、育種技術の高度化、自動給餌等のスマート化、陸上養殖への新規参入促進など、技術革新を通じた生産性向上策を進めている。輸出面では、ぶり・たい・ホタテガイ・真珠・錦鯉等を重点品目に位置付け、特定国への依存を減らすための輸出先多角化を図る方針が示されている。

中長期的には、国内の魚食需要縮小や担い手不足を背景に、加工品の高付加価値化、海外市場の開拓、ICT・AIを活用したスマート水産業への転換が、業界全体の変革手段として位置付けられている。

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