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「健康経営優良法人認定制度」は、従業員の健康管理に積極的に取り組んでいる企業が社会的に評価される環境づくりを目的に、経済産業省によって2016年度に創設された。

その申請企業数は2020年以降に急増している。理由としては、2019年4月に「働き方改革」関連法が順次施行され、労働環境の整備が求められるようになったことが挙げられる。

さらに、コロナ禍により感染症対策の重要性や、感染時の症状の重さが基礎疾患の有無に左右されることが、企業における従業員の健康管理に対する意識を高めた。また、外出自粛や在宅勤務の増加による運動不足やメンタルヘルス悪化といった新たな健康問題が発生したことも、健康経営に対する関心の高まりにつながった。

コロナ禍が一服したのちも、健康経営は重要な経営課題であり続けている。働き手の高齢化や人手不足による労働負担の増加などが、今後ますます経営に影響してくることが確実視されるためだ。

そのような中、2023年には大規模法人部門で2,676法人、中小規模法人部門で14,012法人が、「健康経営優良法人」として認定された(2023年3月8日時点)

2023年3月期以降の有価証券報告書では、人的資本に関する情報開示が義務化され、健康経営に取り組む企業はさらに増加する見通しである。

大企業だけでなく中小企業にも健康経営の浸透が進みつつある。むしろ従業員一人当たりの役割が相対的に大きい中小零細企業にこそ、健康経営の早期の普及が求められる

そのような中、帝国データバンクでは、経済産業省の「健康経営優良法人2023」に認定された中小企業を対象に、「健康経営」への取り組み内容や得られた効果、活用した専門家や支援制度などについてアンケート調査を実施した。

※「健康経営(R)」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です。

【目次】

■調査の概要
1.健康経営への取り組み開始時期
2.健康経営推進のための取り組み
3.健康経営認定取得の目的とその効果
4.認定取得のために活用した専門家・支援機関
5.メンタルヘルスケアへの取り組みにおける課題
6.女性の健康維持・増進向けた取り組み
7.企業向け健康管理システムの導入状況
■まとめ

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