日本の生産年齢人口は、1995年の8,726万人(総人口比69.5%)をピークに、2024年10月時点では7,372万8,000人(同比59.6%)にまで減少している(総務省「人口推計(2024年10月1日現在)」)。
また、2024年10月の厚生労働省の発表によると、新規大卒就職者の就職後3年以内の離職率は前年度比2.6ポイント増の34.9%となり3年連続で増加。過去16年で最高を記録した。
こうした少子高齢化と若年層離職率の上昇が、企業の生産性低下、ひいては日本経済全体の成長鈍化につながることが懸念されている。
そのような中、若者の雇用促進を図り、その能力を有効に発揮できる環境を整備するため、「若者雇用促進法」が2015年10月より施行された。その中で、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を、厚生労働大臣が認定する制度として、「ユースエール認定制度」が開始されている。
認定を受けるには、「直近3事業年度の新卒者など正社員として就職した人の離職率が20%以下」「前事業年度の正社員の月平均所定外労働時間が20時間以下かつ、月平均の法定時間外労働60時間以上の正社員が1人もいないこと」など多数の項目をクリアする必要がある。
一方で、認定企業はハローワーク等での重点的PRの実施や、認定企業限定の就職面接会等への参加、日本政策金融公庫による低利融資、公共調達における加点評価などのメリットを享受できる。
また、就職活動中の若者もこの制度によって、「離職率が低い」「若者を積極的に採用し、若者の育成に熱心である」「労働環境が整っている」企業を選別することが可能となる。
このように、ユースエール認定制度は、企業と求職中の若者とのマッチング向上が図られる仕組みとして注目を集めている。
そこで、帝国データバンクでは、2025年5月26日時点での「ユースエール認定」企業1,481社のうち、帝国データバンクが保有する企業データベース「COSMOS2」(約 149万社)にて確認できた企業1,389社をリストアップし、その傾向を分析した。(※所在地は本社所在地で分析)