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名目成長率 2022年度+1.7%、2023年度+2.3%
実質成長率 2022年度+1.4%、2023年度+1.2%を予測

1.景気は4カ月連続で改善

企業の景況感について、2022年11月のTDB 景気動向指数(景気DI)は前月比0.5ポイント増の43.1となり、4カ月連続で改善した(図表1)。

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11月の国内景気は、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大第8波が全国的に広がった一方で、クリスマスや年末に向けた需要の高まり、建設工事関連などもプラス要因となった。

また飲食料品の宅配サービスが好調だったほか、インバウンド消費を含め宿泊業などの観光関連やDX(デジタル・トランスフォーメーション)などIT 投資需要も上向き傾向が続いた。

他方、半数を超える企業で人手不足を感じているほか、半導体不足による自動車の生産調整、電力価格や小売物価の上昇などが悪材料となった。

業種別では、クリスマスなど年末に向けた需要の高まりが表れたほか、全国旅行支援などで「旅館・ホテル」など観光関連が好調を維持したことも好材料となった。

『小売』は4カ月連続で改善(図表2)。人出の拡大や会食機会の増加、W 杯観戦による食料品の宅配サービスの利用など「飲食料品小売」が大きく上向いた。自宅内消費やクリスマスに向けた需要の高まりなどがみられた「専門商品小売」や、医薬品小売などが持ち直した「医薬品・日用雑貨品小売」は3カ月ぶりに改善した。さらに総合スーパーなどを含む「各種商品小売」も2カ月連続で改善。

図表2.jpg

一方、自動車生産の鈍化や納車期間の長期化などで「自動車・同部品小売」は悪化となった。

また『サービス』は、4カ月連続で改善した。全国旅行支援により「旅館・ホテル」の景気DI は2カ月連続で51業種中最高となった。しかし人手不足感の急速な高まりは喫緊の課題となっている。また、DX 推進を筆頭に開発案件などの引き合いが多い「情報サービス」も堅調に推移した。「今月から少し賑わいが戻ってきた」(西洋料理店)といった声が聞かれた「飲食店」は3カ月連続の改善となった。

他方、「仕事の受注は多いが、人の集まりが悪く企業に紹介できない状態が続いている」(労働者派遣)といった声も多い「人材派遣・紹介」は悪化。「娯楽サービス」はスポーツジムなど室内施設などで悪化が目立った。

全体として国内景気は、新型コロナ第8波のなかで、季節需要や観光関連が上向き、4カ月連続で改善した。

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