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世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症。感染拡大の抑制のため、日本国内においても緊急事態宣言をはじめとする行動制限が長期にわたって続いた。

その結果、日本経済は、ヒト・モノ・カネの流れが地域・業種・企業規模を問わず停滞、需要・供給両面から国内経済を下押しし急速に悪化していった。

そのような中、日本経済は「経済活動」と「感染対策」の両立に向け、難しい舵取りを迫られた。

本章では、新型コロナウイルス感染症に対する企業の見解や特徴、その影響などについて、TDB景気動向調査の結果を中心に整理する。

1. コロナ禍が世界・日本の経済に与えた影響

世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」)。国内で第1感染者が2020年1月15日に確認されてから、3年以上が経過した。

その後次第に感染者が広がり始めると、マスクや消毒薬をはじめとする衛生商品の買い占めなどにより国民生活にも支障が表れ始め、これまでに経験をしたことのない混乱が全国各地で見られた。

さらに日を追うごとに政府、企業、国民の危機意識が高まっていたことは周知の事実である。

経済活動においては、感染対策として外出自粛や店舗などの休業・営業時間短縮により、対面接触サービスを中心に多くの企業が深刻な影響を受けた。

海外に目を向けても、渡航制限の導入にともない、人の移動が停止した。加えてロックダウンなどをはじめとする都市封鎖は、生産活動を著しく停滞させ、サプライチェーンの分断が各国で顕著となった。

その一方で、テレワークが徐々に拡大、オンラインによる非接触の打ち合わせや営業といった企業活動が普及した。遠方にいる相手とも瞬時にビジネスチャンスが生まれる要因になったと言えよう。

新型コロナによるパンデミックから3年以上が経過するなかで、多くの企業では社会の変化を機敏に捉え、デジタル化の進捗や新たな事業への挑戦といった前向きな取り組みが行われた。

2. コロナ禍3か年の出来事を振り返る

感染拡大を抑制するため、2020年4月7日を皮切りに、全4回の緊急事態宣言が発出された。そのほかGo To トラベルなどの各種経済政策など3か年の間に企業活動に影響を与えた主な出来事について下図にとりまとめた。

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