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当社は80年以上の業歴を有し、地元練馬区を中心に官公庁を対象とした運送事業、学校・施設の移転、個人の引っ越し、廃棄物収集運搬、図書館への本の配送、放置自転車撤去などを主力としている。

代表取締役社長の吉田亜紀氏は、筋骨隆々のガテン系といった典型的な運送業界のイメージとは、良い意味でかけ離れた雰囲気を醸し出している。

一方、自社の経営や社員のことについて語り始めると、吉田社長の穏やかな雰囲気は一変。健康経営を軸とした経営については語る姿勢は、まさに百戦錬磨の経営者の顔となる。そんな吉田社長の健康経営に対する思いは強く、経済産業省が主催する「健康経営優良法人認定制度」の、「健康経営優良法人2022(中小規模法人部門(※ブライト500))に認定されている。

そこで、吉田社長に健康経営優良法人認定までの経緯や取り組みなどを伺った。

※ 経済産業省では、「健康経営優良法人2022」の設定要件および「健康経営の取り組みに関する地域への発信状況」と「健康経営の評価項目における適合項目数」を評価し、中小規模法人部門の上位500法人を(ブライト500)として認定している。

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代表取締役社長 吉田 亜紀 氏

-健康経営優良法人認定の取得を決めたきっかけについてお聞かせ下さい

弊社は運送会社ではありますが、長距離運送などは行っておらず、主力の顧客層は近隣の自治体などが多いです。そのため、比較的勤務時間が固定しており、多くの運送会社さんが抱えている長労働時間などの問題はあまりなく、おかげさまで、長く勤めている社員が多いと思います。

しかし、社員の平均年齢が60歳に達しており、若い社員でも30代後半という年代構成になっています。そのため、社員が健康かつより長く働ける環境を作りたいという思いがありました。

運転をする業務なので、体調管理面は様々な法律で定められたものは多いのですが、我々は従前から法律で定められるよりも先んじて、社員のあらゆる健康面を重視した経営をしてきました。

また、高齢者ドライバーの交通事故などの残念なニュースが流れる度に、自社に置き換えて考え、会社が運行管理やドライバー管理を、どれだけきちんとしているかということが、社員およびお客様にとって最も大事なことだという思いを強くし、そのような点を外部から精査されても恥じない状態を目指した管理を意識してきました。

健康診断を例に取れば、社員の受診を徹底することにとどまらず「文書代は会社負担するので、医療機関から『運転しても大丈夫』という診断書を必ずもらわなければ、業務につくことを認めない」というルールを定めるなど、より高いレベルでの取り組みに注力してきました。

そういう背景もあり、健康経営優良法人認定の制度が始まったことを知った際に、是非チャレンジをしてみようと思ったのです。

-認定の取得・運営などについては、社内のどのような部署が行っているのでしょうか?

弊社は、そんなに大きな規模の企業ではありませんので、事務担当の社員が取得手続きから運営を一手に担っています。

先ほど申し上げたとおり、健康経営優良法人認定を取得することに対して社内的なハードルは高くありませんでした。しかし、取得1年目はさすがに初めてのことが多く、申請のための書類も膨大な量となりました。

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