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本連載では日本企業の進出先として想定される世界各国の政経情勢を取り上げる。

第15回はベトナムを紹介する。

ベトナムは、いわゆる「チャイナプラスワン」としての有力な投資先とされ、比較的高い成長を続けてきたが、2023年1~3月期は前年同期比で3.3%の成長にとどまった。

以下では、最近の景気減速の理由や政府・中央銀行の対応状況、ベトナム経済の「潜在力」などを整理した上で、今後の行方を展望する。


■ 2022年後半以降、景気が減速

ベトナムの実質経済成長率は、コロナ禍により2019年の7.4%から2020年には2.9%、2021年には2.6%まで低下した後、経済活動の正常化が進んだ2022年は8.0%と大幅に上昇した。

しかし、四半期毎の成長率を見ると、2022年7~9月期の13.7%から、10~12月期は5.9%、そして2023年1~3月期は3.3%と、再び減速してきている。

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