TDB REPORT ONLINE


本連載では、日本企業の進出先として想定される世界各国の政経情勢を取り上げる。第18回はインドネシアを紹介する。インドネシアでは、2月14日に大統領選挙が行われ、現職・ジョコ氏の基本政策継承を公約したプラボウォ国防相の10月大統領就任が確実となった。ただし、ジョコ氏と同様の強固な政権基盤を引き継ぐことは難しい情勢となっており、政策推進力の低下リスクに留意の必要がある。

以下では、今回の大統領選、および経済成長を重視したプラボウォ次期政権の基本方針について整理するとともに、今後の要注目点として大統領選の結果に反して国内の政治情勢が流動化しつつあることを指摘したい。


■大統領選挙はプラボウォ国防相の当選が確実に
■次期政権の政策は「ジョコ路線」踏襲へ
■安定的な政権運営基盤を得られるかは不透明

■大統領選挙はプラボウォ国防相の当選が確実に

2月14日、インドネシアで5年に1度の大統領選挙が行われた。憲法規定により現職ジョコ大統領(62)の3期続投ができない中で、選挙には3氏が立候補した。

正式な開票結果は3月20日ごろまで待つ必要があるが、複数の調査機関による開票速報などに基づき、現国防相で与党第3党の「グリンドラ党」党首のプラボウォ・スビアント候補(72)が約6割の票を獲得したことが確実視されており、既にプラボウォ氏は勝利宣言も行った。次期大統領は10月20日に就任することとなっている。

プラボウォ氏は過去2度の大統領選でジョコ氏に連敗した。しかし、政権基盤強化を目指したジョコ大統領から国防相に起用されたことをきっかけに接近し、今回は、任期終盤でも7割超の高支持率を維持するジョコ氏の「後継者」との立場を打ち出して3度目の選挙に臨んだ。そして、ジョコ氏の長男ギブラン氏(36)を副大統領候補に据えることで選挙戦を優位に進めた。

また、プラボウォ氏はスハルト独裁政権時代のエリート軍人であり、人権侵害の疑惑も残っているため、シニア層を中心に強権的なイメージを持たれている。しかし、選挙戦ではダンスを披露したり、「ゆるキャラ」を登場させたりすることで強い指導者像を封印し、同氏の過去を知らない若年層から多くの票を得ることに成功した。

この続きを読むには会員ログインが必要です。
ログイン

関連記事