インフラの老朽化、建設・物流・農林業における人手不足、山間部や離島での輸送力低下、災害の激甚化といった日本が抱える構造的課題に対し、ドローンの活用が有効な解決策になると期待されている。
ドローンは、人が入りにくい場所での情報収集や物資輸送に力を発揮する。たとえば橋梁、送電設備、下水道管路などの点検において、作業員の危険を減らしながら、画像やセンサーデータを収集し、人工知能による損傷判定へつなげるといったことができる。
そのような中、日本におけるドローン活用は実証実験の段階から、現場業務へ組み込む「社会実装」の段階に入りつつある。
制度面では、2022年12月5日に機体認証と操縦者技能証明の制度が始まり、有人地帯上空を補助者なしで目視外飛行する「レベル4飛行」が可能となった。また2023年12月には、機上カメラによる安全確認などを条件として、無人地帯で目視外飛行を行う際に、補助者や看板の配置を省略できる「レベル3.5飛行」が導入され、地方物流などの事業化を後押ししている。
一方で、現在日本国内で流通する産業用ドローンの9割超が、中国製であると言われている。そのため、重要インフラ保守や災害対応のための仕組みを海外製品に依存している点や、飛行情報の国外漏えいに関するリスクが指摘されている。さらにはドローンの軍事活用も広がっており、海外依存は経済安全保障上の課題ともなりつつある。
そのため政府は、2030年までに国内需要の6割(約8万台)を国産で賄う目標を掲げ、経済安全保障推進法に基づき「無人航空機」を特定重要物資に指定した。ドローンは民生・防衛の両面で「国産化」がキーワードとなる局面を迎えている。
はじめに
1. ドローン産業とは(定義)
2.業界のなりたち
3.市場動向
4.主要プレイヤー
5.国内企業の動向
6.業界を取り巻く環境
7.業界の課題
8.今後の展望
9.関連法規
10.関連団体