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デジタル広告市場が拡大を続ける一方で、リアル空間における広告価値が改めて見直されている。特に近年は、街頭ビジョンや大型デジタルサイネージで展開された広告のSNS上での拡散事例が増加している。屋外広告は、単なる認知媒体を超えて、「話題化」を生み出すメディアへと変化しつつある。

こうした市場環境の中、渋谷や表参道、主要幹線道路沿いなど都心の一等地を中心に大型デジタルサイネージを展開し、存在感を高めているのが株式会社ヒット(東京都中央区)だ。同社は、媒体の企画・開発から運営、クリエイティブ制作までを一貫して手掛ける独自モデルを構築。大型ビジョンを活用した高い訴求力とデジタル施策を掛け合わせた戦略を強みに、成長を続けている。

屋外広告業界では、自治体条例への対応や地権者との長期的な関係構築が必要となるため、参入障壁は決して低くない。そうした中で、株式会社ヒットは長年にわたり広告効果の高いロケーションを確保し、高収益モデルを構築。屋外広告専業企業として2025年7月4日に東京証券取引所グロース市場への上場を果たした。

今回は、「屋外広告のリーディングカンパニーとして世界を変えるメディアを創造する」を経営理念に掲げる株式会社ヒット代表取締役社長の深井英樹氏に、同社の事業戦略、屋外広告市場の成長性、IPOまでの道のり、そして今後の成長ビジョンについて話を伺った。

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株式会社ヒット 代表取締役社長 深井 英樹 氏

-事業内容とその特徴についてお聞かせ下さい

当社は、主にビルオーナーから賃借した屋上や壁面に、大型のデジタルサイネージやアナログ看板を設置しています。最大の特徴は、渋谷や表参道、主要幹線道路沿いなど、高い視認性を持つ一等地に大型デジタルサイネージを自社で開発・保有している点です。複数の大型ビジョンを連動させた演出や、街並みに調和しながら高い視認性を実現する設計力は、当社の高い競争優位性につながっています。

また、広告を掲出する場所・設備・枠(メディア)である媒体については、小規模な媒体を数多く分散配置するのではなく、主要な一等地に大型媒体を集中的に配置する戦略を採用しています。さらに、大型媒体を単独または複数組み合わせて活用することで、強いインパクトを生み出せる点も特徴です。近年では、媒体提供に加え、大型ビジョン向けのクリエイティブ制作も強化しています。SNS上での拡散を前提に、「思わず撮影したくなる広告演出」を提案することで、広告価値を高めています。単に広告枠を販売するのではなく、媒体の企画・開発、運営、クリエイティブ制作までを自社で手掛ける「垂直統合型」のビジネスモデルを構築しています。

さらに、屋外広告とデジタル施策を組み合わせたクロスメディア展開にも注力しています。位置情報を活用して大型ビジョンをみたユーザーに対してスマホ広告を配信するなど、リアルとデジタルを連動させることで広告効果を拡張しています。媒体開発においては、通行量や滞留時間などのデータを分析し、「広告効果が期待できる場所」に投資を集中しています。

こうした厳格な投資判断によって、高い媒体稼働率を維持しており、営業利益率30%超という高収益体制につながっています。

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出典:株式会社ヒット 2026年6月期 第3四半期決算説明資料(2026年5月14日)

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