本連載では、日本企業の進出先として想定される世界各国の政経情勢を取り上げる。第32回は、産油国でありながら、貿易、物流、金融、製造業などの非石油部門を伸ばしてきたアラブ首長国連邦(UAE)を紹介する。
■対外貿易から見るUAEの経済構造
■中継・再分配拠点としてのドバイ
■金取引ハブとしてのUAE
■電力を活かした産業多角化:アルミニウムからAIデータセンター
■中立的な立ち位置が試されるUAEの外交戦略
UAE経済を理解する出発点は、産油国としての側面である。UAEは、世界で第5位の原油・石油製品の輸出国である。輸出先はアジア諸国が中心で、日本、中国、インド、韓国などが主要な仕向け先となっている。UAEにとって日本は最大級の原油輸出先であり、日本にとってもUAEはサウジアラビアと並ぶ主要な原油調達先である。
もっとも、UAEの輸出に占める石油の割合は近年3~4割程度にとどまる。その背景にあるのが、中継貿易の大きさである。