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本連載では、本企業の進出先として想定される世界各国の政経情勢を取り上げる。第33回は韓国を紹介する。韓国経済は、AIブームを背景とする半導体輸出の急拡大を追い風に回復局面にある。個人消費や設備投資にも改善の動きがみられ、表面的には景気回復が内需にも広がっているようにみえる。

もっとも、その恩恵は半導体関連の大企業や金融資産を保有する家計に偏っており、中小企業や一般家計には十分に波及していない。こうした景気回復の実感の乏しさは、政権支持率の低下にもつながっている。以下では、AI特需に支えられる韓国経済の回復の実態と、その恩恵の偏在がもたらす課題を整理したうえで、日系企業の事業環境を展望する。

目次

■半導体主導で輸出が拡大
■景気回復は内需にも広がり
■金融引き締めが重しとなるも、世界的なAIブームは継続する公算
■景気回復にもかかわらず支持率は低下
■日系企業の事業環境も明暗が分かれる可能性


■半導体主導で輸出が拡大

韓国経済は総じて景気回復が続いている。足元の成長の原動力となっているのがAI特需である。生成AIの普及を受けて、ハイパースケーラーと呼ばれるクラウドサービスの大手事業者(Amazon、Microsoft、Googleなど)がデータセンター建設を積極化しており、それに伴い、半導体をはじめとする関連需要が世界的に急速に拡大している。世界半導体市場統計(WSTS)によると、2026年上半期の世界半導体出荷額は7,018.9億米ドルと、前年同期の約2倍に達した。

とりわけ需要が強いのが、AI向けデータセンターに不可欠な高帯域幅メモリ(HBM)である。韓国企業のサムスン電子とSKハイニックスはHBM市場における主要サプライヤーであり、韓国はAI関連投資の拡大が、輸出の増加や企業収益の改善につながりやすい産業構造を有している。

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